豪ドル/米ドルは、金曜日に発表された米国の非農業部門雇用者数(NFP)を受け、下落幅を拡大した。このAUD/USDは、予想を下回る雇用者数と弱い賃金上昇にトレーダーが反応し、リスクセンチメントが悪化したため、回復に苦戦した。一方、中国の貿易収支は輸入の予想外の減少を示し、需要鈍化への懸念が高まり、オージーの重荷となった。
DIRECTY MARKET DRIVER:非農業部門雇用者数が予想を下回り、オージーに圧力がかかる
2月の米非農業部門雇用者数は15万1,000人増と、予想の16万人増を下回った。1月の12万5,000人からは改善したものの、弱い雇用ペースは労働市場の回復力に対する懸念を高めた。
平均時給の伸びは前年同月比0.3%増と、1月の0.4%増から鈍化し、賃金圧力が冷え込んでいるとの見方が強まった。一方、米国の失業率は4.1%と小幅上昇し、労働環境の低迷を示唆した。
中国の2月の貿易黒字は1,705億2,000万ドルに拡大し、予想を上回った。しかし、輸入が8.4%の大幅減となったことで、内需の減退が懸念され、輸出主導のオーストラリア経済に悪影響を及ぼす可能性がある。
豪準備銀行(RBA)は、経済成長率が2025年までに2%まで鈍化するとの見通しを示し、慎重な姿勢を示している。このスタンスは過去に豪ドル相場を下支えしてきたが、投資家はインフレや労働市場の状況に応じた政策転換の可能性に慎重になっている。
投資家が世界の貿易動向を再評価したため、リスク心理は悪化した。カナダは、米国に対する報復関税の第2弾を4月2日まで延期した。この進展は、世界貿易の緊張に対する広範な懸念を一時的に和らげたに過ぎない。
豪ドル/米ドル テクニカル分析:主要サポートレベル接近で売り圧力強まる
金曜の豪ドルは、売り圧力が強まり、米国時間中に0.6290付近まで下落し、下げ幅を拡大した。米国の非農業部門雇用者数が予想を下回る結果となったことで、市場の警戒感が強まり、一段安となった。
移動平均収束ダイバージェンス(MACD)指標は、赤のヒストグラム・バーが減少し続け、強気のモメンタムが弱まっていることを示している。一方、相対力指数(RSI)は53まで低下し、急低下しているものの、中立レベルを上 回っている。RSIの下落が続けば、さらなる下落リスクが確認される可能性がある。
0.6300のサポートエリアを割り込むことが確認されれば、更なる下落への扉が開かれる可能性があり、次のキーレベルは0.6270付近となる。明るい面としては、0.6365にレジスタンスが残っており、市場心理をロングサイドに戻すには、これをブレイクする必要がある。
コメントを残す